the beginning of the end 4 日常のループ

右目は回復しない
おそらく使いすぎているし疲れすぎているし
部屋が乾燥しているのだろう

次の日
目が覚めるとその1時間くらいは問題がない
ただしとても眠い
目がなかなか開かない

また窓の外を見る
コンクリートジャングル、僕はこれを求めていた
ふと視界にまた違和感を感じる。

空が二つに切り取られている

開かない目で僕は二つに切り取られた空を見る
出かけるまで時間がない
素早くCCDで記録する

再生紙のメモ帳に書き込む
空、半分、5/18、8:10
halfsky_1.jpg

手早く着替えて
うがいをし、顔を洗い再起動をかける
僕自身に。
なかなか起動しない
僕自身が。

同時進行で温めたスープが吹きこぼれそうになる
ゆっくりとスープを飲み干し、
部屋を一通り掃除する

気がつくと空は元通りになっている
あいつらがたぶん元に戻した
僕はそれをまたCCDに記録する

空、半分、5/18、8:45
halfsky_2.jpg

気づいたのはおそらく僕だけだ
もう時間がない。
僕は出発する。

そしていつも通り日付が変わってから帰ってくる

再生紙は無くなっている

CCDの画像なんていくらでも加工が出来る
やつらは言うだろう
でも僕の頭の中には記録している

トレント・レズナーが囁く
俺たちは遠くに来すぎたんじゃないか
this is the beginning of the end
空、半分、5/18、8:10。間違いない。