B1_002 地下1階

奧まで行くと、業務用と思われる扉がある。
ICカードをかざすとロックが外れる電子音がしたので開ける。

真っ白な空間、横5m、縦2mくらいだろうか?が広がっており
エレベーターの扉が2つ、正面に広がっている。
奇妙なのは右側のエレベーターの扉が異常に大きい、ということだ。
横幅が2mくらいあるだろうか。

指定されたのは右側のエレベーターだったので下ボタンを押す。
エレベーターは28階にいる。

停止する度に音が鳴るのか、点灯する階数表示が止まるごとに
電子音が響いている。2分ほど待ってエレベーターの扉が開く。
予想に反して誰も乗っていない。

そして目の前の空間にあっけにとられた。
コンテナと言うと言い過ぎかも知れないが、少なくとも10トントラックの
荷台くらいの広さがある。
入り口が2mとして、奥行き6mくらいだろうか。あるいはもっとあるかもしれない。
少なくともこの空間があれば慎ましい家族が暮らしていけるくらいの広さだ。

私はエレベーターに乗り込み、
奇妙な回数表示がされたボタン(それらは4列になっている)
B1を押した。

エレベーターは電子音を鳴らして閉まる。
空間は灰色のカーペットのような保護布で覆われている。

下降が続く。
先ほど受付から乗ったエレベーターと比べると格段にスピードが遅い。
回数表示を見ていた私は1階、次だな、と身構える。
しかし扉が開かない。

エレベーターは明らかに何かにぶつかったような鈍い音を何度かたてた。
そのたびにエレベーターが微妙に振動する。
おかしい。
既に1階から4階までくらいにかかった時間が経過していた。
と、扉が開いた。

真っ白な空間がまた広がっている。

壁に扉であることがかろうじてわかる表示が3カ所、
右、左、正面にある。
たしか左、だ。

ドアを開けると全く同じような白い空間があり、軽い混乱に陥る。
この次は廊下ではなかったのだろうか?

続く