business hotel ビジネスホテル

それって強迫観念なんじゃないの?
と誰かが言う。

出張で泊まるビジネスホテルの嫌なところなんて
列挙の暇がないわけだが、
僕にとって致命的なのはタバコのにおいだ。

経費を最大限節減したこういったホテルにおいては
空調は基本的に全ての部屋の空気を均一にかき混ぜる
くらいの意味合いしか無い。
禁煙の部屋を指定しても空調からいくらでもその
粒子は入り込んできて頭痛を引き起こす。

まず部屋に入ったらエアコンとバスルームの空調を切る。
可能であれば窓を開ける。
次に可能な限り熱くしたシャワーを湯船に向かって
放出する。バスルームのドアは開ける。

そのうちに空気中の水分が飽和状態になり
部屋中のガラスや鏡や金属のプレートに水滴が
つき始めたら、タバコの粒子はその水滴の中に含まれている
事実においは若干引いている。

照明と連動したバスルームの空調はつけたくないので
ドアを開けたまま暗がりでシャワーを浴びる。
暗いことは悪くない。良くない部分が見えにくい。

そして窓を閉め、ホテルがその自己修復能力で
いつも通りの乾燥した空気を提供し始める頃に
ようやく眠りにつけるのだ。

そういった一連の作業を必ずしなくてはならないし
もちろん環境にも良くないし、
出来れば僕だってそんなことしたくない。