knock ノック

真夜中の2時半
僕は眠りに落ちる手間で
いろいろな事を考えていた

概ねそれらは意味がなかったし
僕は僕自身がまもなく深い
眠りに入ることがわかっていた

ノックはその瞬間背後から聞こえた
コンコン、

僕はリビングに背中を向けて横になっていて
リビングとの仕切りは取り払っていたから
そんなところでノックが出来ないことはわかっていた

一気にまどろみから覚醒した
ぞわりとする感覚が僕を覆う

しかしノックはその一回だけで
僕は抗いがたい眠りに引き戻された