東京に住むこと28年、浅草の雷門を見に行ったことが無かった。
相当小さい頃に連れて行ったよ、と親に言われればそうなのかもしれないが
ともかく、記憶には無い。東京に来たら行くべき場所リストがあったとして、
住んでいると特に行こうと思わないという場所はおそらくたくさんあるのだろうが
そのうちの一つのような気がする。
よく、東京タワーに登ったことが無いと言うと驚かれるがそれと同じだ。
自転車で合羽橋からさらに東と思われる方向に漕ぐこと5分くらい、
なんとなく浅草だろうと思われる場所に出た。そのまま漕いで行くと
浅草寺の境内に入った。
あさくさでら、と呼んでいたがその場で歩いていた若者が
知らない人はあさくさでらって読むけどせんそうじなんだよねえ
とまさに話していておお、それ俺だ!と思ったのは言うまでも無い。
雷門前の方に歩いていくと出店がたくさんあり
毎日お祭り気分だ。このイメージはしかし、上海に似てるなあと思った。
上海の摩天楼が聳え立つ街中に残されている古い街、
やはり観光客目当てのお店がお祭りっぽく出ている。
少しわき道に入ると、これが商店街か、と思われる
どこにもシャッターのしまった店の無い商店街が現れる。
ひっきりなしに訪れる観光客で成り立っているのだろう。
佃煮とか売っている。
どう表現してよいのかわからないが、つまりこれが
下町、とひっくるめられる雰囲気がある。
こういう下町!というエリアは自分が育った茗荷谷、江戸川橋、
あるいは少し近い飯田橋、市ヶ谷、四ツ谷、池袋、大塚とかそういう
エリアではもともと無かったのかあるいは戦争で焼けたのかわからないが、
とにかく無い。
少し総武線を隅田川方向に行くと、こういう傾向が出てくる。
面白いなあと思う。