始業時間ぎりぎりに会社に到着するくらいに品川駅に
滑り込む山手線あるいは京浜東北線に乗ると、
とても駅が混雑している。
20台以上あると思われる自動改札機には長い列が出来、
幅20m以上はあると思われる港南口への道は人で埋まっている。
ここを走るのがとても気持ちいい。
普段歩いているときでも、車を運転している時でもそうだが
僕は人を追い抜くことに爽快感を覚える。
品川駅は無限に人が同じ方向に歩いていてそれを縫うように
ジグザグに走る。人と人の間をたくさんの人がそれぞれの
スピードで歩いている間をすり抜けて走る。
同じように走っている人が10人くらい左隣に見える。
そいつより速く走る。
走るっていうのはとても楽しい。
走っているだけでわくわくしてくる。
人と人の間に出来た空間が無数にあって
ものすごい数の選択肢があって
これをもしロボットが画像処理するのはたぶん
いまの技術でも無理だろうな、と思いながら
新幹線の線路を越えて
おそらく1000人近い人間を追い抜いて港南口に出る。
デッキを走り続け階段を駆け下りてNTTのタワーの前まで
だいたいそこらへんで一息つくことにしている。