PHILIPS arcitec RQ1087 10年で変化したこと・フィリップス

父親に初めて髭剃りを買ってもらったのはおそらく10年位前で、
当時007の主演はピアース・ブロスナンだった。
なんでそんな話になるかというとその007の映画で実際に使われていた
シェーバーがphilishave 8894というモデルで、007モデルとして発売されたのだ。
たぶん90年代後半だと思う。

外装が抑えた濃い藍色のメタリックで、当時としては非常にクールな形状だった。
いまだに同じ形状のモデルが発売されているが、外装にかけるお金は業界的には
比較的落ちてきていて、今見ても結構凝ったデザインだと思う。

そのシェーバーはいまだに動いているのだが、さすがに10年ともなると
それなりになってくる。

そしてまた新しいものをもらった。PHILIPS arcitecというやつだ。
同じメーカーのフラッグシップモデルになる。

この10年の間に何があったかというと、オランダのメーカーである
フィリップスはヨーロッパにおける家電のシェアを年々落とし、
ソニーと競っていたテレビのシェアではその地位をサムソンに奪われ
現在はほとんどテレビを生産していないんじゃあないかと思う。

そして今からたぶん5~3年位前に打ち出したフィリップスの重点成長分野は
ヘルス&照明、だ。
大胆に家電をカットして分野を絞った結果業績は良化した、みたいなレポートも
しばしばみかける。

家でもフィリップスの電動歯ブラシであるソニッケアーを使っているし、
このシェーバーもそうだ。

シェーバー業界全体の動きとして、自動洗浄機能がある。
そしてこの洗浄機能、洗浄液を消耗品として販売している。
ソニッケアーも歯ブラシ部分が消耗品なのだが、

とにかく家電メーカーは10年も持ってしまうような
きちんとした設計をした商品を売った後にいかに儲けるか
これがやっぱり課題だ。

たぶんやろうと思えば煮沸消毒機能をつけられたと思う。
でも専用洗浄液を使用させることで、消耗品を継続的に購入させる。
このやり方はたとえばプリンター業界、
キャノンとかエプソンとか、そういった機器を持つ事業部が利益率20%とかで
デジカメ部門は5%くらい、とかそういう話はそこかしこで聞く。

売った後に儲ける仕組みがどうしても必要なのだ。