カテゴリー別アーカイブ: Japan

awareness 中越沖地震に遭遇したが、認識は無かった

中越沖地震の瞬間、
僕は新潟県魚沼市付近の綺麗な田んぼ風景の
中を時速50kmくらいで7人乗りのマツダ・MPVを運転中で、
2回ハンドルが左に取られて不思議に思っただけで、

地震には同乗者の誰一人気がつかなかった。

5秒後恐ろしく振幅している時速50kmの看板を発見したときも、
何アレ?なんであんな揺れてるの??
とみんなが不思議に思い、そのまま500mは走行したように思う。

田舎の道にしては偶然信号で停車し、
再び揺れを感じてから初めて地震と気づいた。

家々から人々がみな外に出て
不安げに集まっている中、
僕らは事の重大さに気づかず
そのまま車を走らせた。

06Kanazawa: artificial heart, Moonlight Serenade 川崎和男と奈良美智

金沢21世紀美術館でやっていた期間展示は
artificial heart:川崎和男展ーいのち・きもち・かたちと
奈良美智展「Moonlight Serenade – 月夜曲」、
それから地元の美術家大学?の展示など。

知らなかったのだが
川崎和男という人は結構有名なプロダクトデザイナーらしく、
Kazuo Kawasakiで検索するとまずメガネブランド
としてヒットする。

見覚えがあったのはEIZOの液晶テレビ、FORIS。
文房具から表題の人工心臓まで、ありとあらゆるプロダクトを
デザインしている。

メガネは実際につけた風に体感できたり、
人工の器官にかんする展示では天井から部屋のプロジェクタで
心電図風の投影がカッコイイ。

デザインぽい図ではなく、比較的設計図っぽいスケッチの展示も。

奈良 美智の展示は超巨大な例の女の子の顔が
屋根にのっかっている家があり、
これに関してはもう、「うわあ」としか言えない。
インパクトがすごい。内部は奈良美智の作業場。

また古着を詰めて徐々に完成させてゆく
犬のこれまた超巨大ぬいぐるみがあり、
ついでに子供には着ぐるみを着て展示を見て回るサービスも。
おもしろい。

DSC03990

休憩はウサギ耳の椅子で
DSC03907

06Kanazawa: 21st Century Museum of Contemporary Art, Kanazawa 金沢21世紀美術館 常設展示

金沢に行った目的は主に金沢21世紀美術館だった。

この美術館を知ったのは以前エントリーで書いた
museum link passを森美術館でもらった時が一番最初だったのではないかと思う。
もちろんもらったときは行こうとは全然思わなかった。遠いし。
その後直島に行き、カフェまるやのブログに
21世紀美術館について、あるいは冬の金沢について書いてあり
それを魅力的に感じたり、美術空間散歩という本を見て、
さらに国内の往復分のマイルくらいなら十分貯まっているなど色々な
要因が重なって行ってみる事にした。

21世紀美術館の特徴は確か建物に
どこからでもアクセスできるというもので、上から見ると円形の建物の
いくつかに入り口があり、それは出口でもある。

21_3.jpg

館内は展示スペースとそうでない場所が透明のガラスで隔てられており、
遠くからなら展示スペースの一部が覗ける。

21_3.jpg

建物は周囲が円形だが、内部の展示室?そのものは直方体で
構成されているようだ。

DSC03969

美術館の建物そのものに付随するというか、建物そのものを作品として
使用しているAnish KapoorJames Turrellの作品はたぶんいつ行っても
見られるはずで、

特にAnish KapoorのThe Origin of the Worldは
今回見た中で一番インパクトを受けた。
コンクリートの斜めの壁面に真っ黒な楕円形の空間が存在し、
それが穴なのかあるいは斜めの斜面に描かれた円なのか、
穴ならばどこまで繋がった穴なのか全くわからない。
光が完全に吸収された黒なのだ。

21世紀美術館の親切なところはこういった作品に解説のA4くらいの紙が
置いてあるところで、それによれば少ししゃがんで見てみようとある。
しゃがんでみてみると、楕円は完全に円形に見える。深淵な真円が
出来上がり、その瞬間うわあ、すげえなと理屈抜きで体感できる。
これは行ってみることをおすすめする。

21_3.jpg

James Turrellはタレルの部屋と書かれた展示室で
直島と同じopen skyがある。ここではblue planet skyという作品名だった。
しかしこの部屋には直島のような排他性というか特別な
空間という意識はとても低い。

なぜかと言われると困るなと思って少し考えてみたのだが
これはやはり美術館の建物そのものが出す雰囲気なのではないかと思った。
直島にある地中美術館が非常に鋭利な感覚があり、
かつ世界的観光地となった島自体の非日常さを人工的に演出している事に比べて、

21世紀美術館はそのコンセプト通りみんなが楽しむ雰囲気がある。
たぶんそれが「タレルの部屋」という名前にも出ていて
部屋自体の雰囲気を変えてしまうのだ。

DSC03929

もう一つ。
この美術館の常設展示でインパクトがあるのはプール。
21_3.jpg
普段言うことを聞かない(かどうか知らないが)幼稚園児達がみんなで
のぞき込んでいるのはプールの中に人がいるからだ。
この光景は初めて見る人にはとても不思議で、なんで?と思ってしまうだろう。
僕は知っていたので周りの人を観察して面白がっていたが
そういうのはひねくれ者のすることなのであまりおすすめしない。

DSC03977

06Kanazawa: Kanazawa station 金沢駅。

11月に金沢に行った。

金沢と聞いて僕が最初に思い浮かべるのは
金沢工業大学だ。ロボコンでかなり強くて、
それを支える大学の仕組み、授業や補習の方法、
また就職活動などにも、とても手厚いケアがなされており
それが記事になったりテレビで放送されていた。

この大学なら都内を離れても行く価値があると思ったし、
新しくて綺麗そうなイメージを受けた。
(僕は既にそのときだったのでもちろん受験することは
無かったし、後で調べたら歴史はあるようだ。)

金沢の駅東口に着いて最初に思ったのはこういった
金沢工業大学のイメージが近かった。
つまり、金沢という街自体が整備され、
何となく存在する地方都市とは違うというイメージだ。
イマイチ自分でも言いたいことがまとまっていないので
これをうまく伝えることが今できそうにない。

40年をかけて整備されたという駅東口のドームは
現代建築にありがちな金属の無数のトラスで構成されているのだが、
正面から見ると神社を思わせる。
巨大な鼓のような2本の柱がそのドームを支えているためだ。

DSC03835
もてなしドームと言うらしい。

バスターミナルの脇には建てられたばかりだと思われる
FORUSという商業ビルがある。都内で言うとパルコや丸井が
かなり近い。ほとんど都内と同じ店舗が入っている。
側面にイオンのロゴが点灯しており、イオングループによって
建てられていることに驚く。

DSC03845

駅周辺は再開発独特の雰囲気があり、まだ新しい道路と
出来たばかりのビジネスホテルやビルが建ち並んでいる。
まだ再開発途上らしい。

06Naoshima: booking, booking, and booking 直島, 予約, 家プロジェクト, 地中美術館

直島に行くのなら予約は欠かせない。
まず都内から行くなら飛行機の予約である。
高松空港までのチケットが必要だ。

空港からフェリーに乗るためのとこでんバスは予約不要。
全日空のホテルの前で降りればすぐにフェリー乗り場が見える。
フェリーも予約不要。普通に切符を買えばよい。

直島に行くのなら週末をおすすめする。
予約の必要な作品は週末にしか公開しない。
大きく3つのプログラムで予約が必要となる。

・家プロジェクト きんざ
・文化大混浴 これは故障中だった。
・地中美術館 ジェームズ・タレル「オープン・スカイ」ナイト・プログラム

きんざは一人15分、二人で行くなら二人分予約しなくてはならない。
これ、全くわかっておらず2人で行ったのに一人分しか予約していなかった。
チケットも別に買う必要があり結構手間なのだが、
きんざに座っていたおばちゃんが親切で15分間を半分に区切ってくれて
1人ずつ2人入ることが出来た。感謝である。

また、よく分からなかったのが地中美術館の入場料で、
昼間買ったチケットで地中美術館を普通に見て、いったん出てから
夜オープンスカイを見ることは可能。オープンスカイは別の料金が
発生するが、通常の鑑賞料を二度払う必要はない。

さらに、ベネッセハウスに宿泊していると、ホテルでハンコを押してもらうことで
再入場が可能なる。ということで次の日も地中美術館に行った。
天気や時間によってかなり雰囲気が異なるのでもし行く機会があれば
なんどか行っても良いかと思う。

以上。

06Naoshima: artificial architecture

architectureという言葉はartificialから来ているわけではないよね?
さて、そろそろ写真をupするのも飽きてきたので直島の建物を見て感じた雑感。

直島は岡山と香川の間の瀬戸内海に浮いている島で、
香川県なのだが地理的には岡山からの方が近い。
島には三菱マテリアルの精錬工場がありそれ以外
これといったものが存在しないところに、
安藤忠雄がベネッセハウスという建物と地中美術館を建設した。

これらの建物は島の裏山に位置しているように見え、(実際は知らない)
明らかに周りの山を削って作られた人工物という印象を受ける。
基本的に人間が住む=自然が損なわれるが、ともかくここには
あまり自然との共存、的な意識が感じられない。
原因の1つは設計における鋭利さである。

chichu art museum ticket center

建物そのものが作品ですので、写真を撮らないでください
と言われる地中美術館でその傾向はもっとも顕著だ。
この建物には基本的にカーブが用いられていない。直線で構成されている。
(と思う)

通常人が触れると考えられる場所には、建物であれ製品であれ
R、すなわちroundをつける。製造上この方が作りやすいという
理由もある場合が多いが、Rが無いと危険なのだ。

例えばauのデザインケータイであるneonの筐体を見ても分かると思うが、
丸みを帯びないデザインにおいてはデザイナーは無駄を省いた
直線形状を出来る限り望むことが多い。
しかし安全上、あるいは量産時の問題からRを施す必要があり
neonでも当然、90度の直行した面で製品が構成されることはない。

例えば今、手に持っている円筒形のコップの口がすっぱりと
竹を割ったような形状とすれば、そのコップで
何かを飲むときに唇が切れる。
手で握っているマウスが完全な直方体であればその角で
怪我するかもしれないし、目の前の机の角が完全に90度だけの
角で成立しているとしたら、子供が目をぶつけて切るかもしれない。

そういった配慮の元、完成したモノに鋭利さが失われてしまう
としてもある場合はヤスリを丁寧にかけ、ある場合は成型する金型を
加工してRが施されているのが普通だ。

これに対して安藤忠雄の地中美術館はコンクリートもしくは鉄?によって
ほぼRを取らない状態で、あるいは本当に必要最低限のRで
建物が構成されており、本来人を助ける役割である手すりすら
角が尖り自然どころか人すら拒否するような印象を持っている。

地中美術館に関してさらに言えば、建物の材料も非常に無機質で、
コンクリートと結晶が見えるような鉄、あるいはガラスで構成されている。
直島に現存する木造平屋建ての家を保存した家プロジェクト
と真っ向から反するようなコンセプトで、
James TurrellのOpen Skyもopenなのかclose(切り取っている)なのか
どちらかわからなくなった。

到着した日にベネッセアートサイトを解説してくれた
ホテルスタッフによれば
「私が小学生くらいの時に建ったのですが、
当時は否定的な感情しか在りませんでした」
ということで必ずしも町民の理解を得たものではなく
あくまで外の人間が作り外の人間が来る
場所なのがこの直島の目玉である2つの建物であったことは
想像に難しくない。

そのスタッフが「何の因果か島に戻ってきてこういう仕事に
就いてから、世界からも注目される直島という島がもっと
隙になりました」と次に続けていた。

時間を経て建物に植物が侵入しだし、
以前よりはまだましになったのかもしれない。

続きを読む 06Naoshima: artificial architecture