oriai 折り合い

04年入社当時に日経Tech-onの中村裁判の記事を読んで
http://techon.nikkeibp.co.jp/NEWS/nakamura/mono200406_1.html
「中村氏は1993年までは実験の指示を出していたが,それ以降は自分で実験せず,他の研究者たちの成果を論文にまとめて外部に発表するようになった。論文はすべてファーストオーサーで,特許の発明者にも必ず名前を入れた。マスコミの取材や講演の依頼も同氏が対応した。(中略)若手研究者たちが言葉を失うのも無理はないだろう。」
当時はこういうこともあるんだなあと思ったんだけど、
その後様々な「開発者インタビュー」とかを読んだり、実際自分が考えた「ファンを覆うカーブの形も巻き貝や台風の対数螺旋など http://www.famitsu.com/news/201401/17046618.html」というのを上司が発表したことで、上司の成果になっていることや、苦労して考えて実現した他の実質設計者が出てこない文脈を目の当たりにすると、こういう日陰のエンジニアだったり研究者っていうのは山ほどいて、政治力や表現力のある人間が結局出てくるんだろうなあと思ってしまった。
一方でfacebookのタイムラインを見ていると、うちの社内のエンジニアがすごくてそのおかげで、とか書いているベンチャー社長もいるわけで、そういう風な人が少しでも増えればいいなあとは思う。
そうじゃないとまあ、その人の下で働きたいと思わなくなっても仕方ないと思うし、でもうまく良い駒さえ確保すればそのままやれるんだろうとも思う。その後には例え死屍累々であっても。
さらにそれとは別で、「やっぱ自分で手を動かして作っていないとなかなか自分がやった、って言えないんですねよねえ、」という、半ば自分でやっているものなのに0から、あるいは1から作っていないと自分がやったと言えない人も近くにいて、どちらかというと自分の今の立場はそれに近い。そういうのって、一体どうやって折り合いを付けるんだろうかと思う。