C Card 005 peak performance buoyancy 中性浮力の理論と実際

ダイビングについて調べていると、
もしくはダイビングに関する雑誌なんかを見ていると
必ず出てくるのが中性浮力 peak performance buoyancy という単語だ。

これは浮力と自分+機材の質量を水中で釣り合わせる事で、
すなわち無重力状態を作り出すことを言う。

どうやって釣り合わせるんだ、という疑問が上がるわけだが、
簡単に言ってしまえば最終的には肺の中の空気の出し入れによって
体積を調節し、釣り合わせる。

その前に、写真のジャケットにタンクから空気を送り込み
浮力を出来る限り質量と釣り合うように調節しておく。
diving_003.jpg

これによって無重力状態が作れると、肺から空気を出した後
体が沈みはじめ、タンクから吸気すると体が浮き始めるという現状が起こる。

当然フィンキックのキックの方向によっても体の浮き沈みは制御できるため、
それらを合わせて浮力をコントロールする。

上級者はフィンキックに頼ることなく、限りなく力を抜いてダイビングするため
空気の持ちがよい。これらの理屈からエアの残量がもつ=ダイビングする
時間が長くできる=ダイビングがうまい というような観念が生まれているようだ。
2chでさんざんエア持ちが良いとか悪いとか書いてあった理由がここでわかった。
推測だが。

ちなみに、肺から空気を出した瞬間に体が沈みはじめるのではなく、
質量と浮力の差から生まれるFによって、
F=ma、a=F/mで2次関数的に体が沈みはじめるために、
ある程度タイミングを読んで呼吸をコントロールすると
時間差を利用して深度を保ったままダイビングをすることが可能になる。

また、この差を使って浮上、降下を行うのだが、
ボイルの法則 pV=定数 にあるように
圧力が上がれば上がるほど、体積は下がるため
水深による水圧の変化で、
ウエットスーツやBCD内の空気の体積などの変化を
感じていなで変にBCDの空気を抜いたり入れたりすると、
急浮上や急降下に繋がる。
これらは減圧症などを引き起こす原因となりうる。

ともかく、机上で習ったものが実際に呼吸によって実現されると
なかなか面白い。
なるほどね、と思う。