escape

どうってことない顔をしたやつが朝っぱらから
すごい面倒くさい格好して電車に乗っていた

耳からたれさがるチェーンとか見ていて
苦しくなってくる首輪とかこれ以上
無いくらいごつい指輪とかはどうでもよくて

バーバリーチェックのベルトみたいなものが、
やつの膝と膝を結んでいた

いつも通り走って電車に飛び乗った僕は、
あれじゃ走れやしないと思っただけで
何も代わり映えしない朝だった