taxi

クリスマスイブの夜中1時くらいに東京タワーの下までドライブしに行ったら、
ものすごい数のタクシーが、霞ヶ関や東京駅やそういったところに止まって
客を待っていた。本当にものすごい数で、これらのタクシーのうちどれだけ

がお客を乗せることが出来るんだろう、というくらいだった。通りにはタクシー
が溢れかえり、タクシーが永遠と、数百メートル、あるいはもう、kmの単位
になるくらい並んでいる。客を待ちながら、車を降りて他のタクシーの運転手
と話している運転手もいたし、もうとにかく、タクシーであふれていた。

帰りにJ-WAVEを聞いていたら、ラジオDJらしくない人が話している番組が
あった。1年に一回、毎回イブの夜にやっている番組らしい。そのなかで
タクシーの話が出てきた。ヒマラヤに登るときに、チベットとどこかの国境を
越える時にタクシーを雇った、という話なんだけど、その前に国境を越える

ために距離的な問題と色々でややこしいらしい。その時に、日本人の若者
がいて、旅の途中で出会ったホンコンの女性と一緒に不安げだったので
そのDJは一緒にタクシーにどうですか?と助けてあげた。その若者は、
タクシーの中で永遠と、国境を越えることの難しさとか日本という国はこういう
旅行は会社を辞めないと出来ない、とか、そういう、自分がいかに大変だったか
苦労したかという話を女性とDJの仲間にずっと話している。

DJはぽつりと言う。
チベットとそのどこかの国境の風景っていうのは、もう世界でも一番という
くらい綺麗なんです。本当に綺麗なんです。

DJの連れの人(ヒマラヤに登るベテランの人だ)が、「あの若者は一回も外を
見ませんでしたね、」と分かれてから言う。DJは、まさにそう思っていたので
連れの人もそう思っていたんだ、と感じる。

話がそこまで来たときに僕は家に着き、普段だったらエンジンを切るんだけど
しばらく車の中でDJの話を聞いていた。DJはDJらしくなく、話している途中に
よく詰まるし、滑舌もいいとは言えない。でも話していることはある部分では
とても共感できたし、(ある部分では共感できなかったけれど)興味深かった。

そして、「その若者は、何かをクリアすることにしか興味を持っていない
かもしれない。なんだか残念だ」というようなことを話した。

そこで僕は車を降りて風呂に入ったのでその先DJが何を話していたのか
わからない。ただイラクで人質になった若者のことをほんの少しだけ思い出して、
それでおしまいだ。

知っての通りこのブログには教訓もなければオチもない。
タクシーといえばリュックベッソンだよね。