理屈ではわかる。
陸と海の温度差によって出来る風が
朝晩でその温度差が逆転する瞬間、
風が無くなる。それが凪だ。
Manihiの海岸は非常に強い風が常に吹いていた。
方向は定かでない。
恐らく珊瑚礁が堆積して出来た帯状の島の
内側と外側で、海の温度が違うために起こっている
風ではないかと思う。
陸風が起こるほど陸地が無いからだ。
マニヒを出発する時、
初めて早起きをした。時間は8時頃だったと思う。
風が完全に止んでいた。
海は本当に今まで見たことのない様子を示していた。
時折魚が起こす波紋を除けば、水面は異常にのっぺりしている。
波が無いために、非常に透明度が高く
魚が何をしているか完全に見える。
遠くを見ると、朝日が海面に全反射して
これまで見えていた
エメラルドグリーンからブルーに変わっていく
海の色が見えない。
海に浮かぶ家はその影を海面に落としている。
鏡面のようだ。
感激して眺めていると、やがて海側から風が吹いてきて
普段通りの海になった。