sacrifice

アイロンをかけてもらいに来た。
僕は既に寝ていて、以前クリーニング屋の主人だったそのおじさんは
丁寧に僕の腰にアイロンをかけた。

腰が痛くなったのはやっぱり販売応援でずっと立って仕事をしていたから
なんだろうなと思う。アイロンは少し熱いお風呂くらいの温度になっていて、
なるほど確かに気分がよい。

カチッ、ヒュッ、ボッという音と共に
アイロンは瞬間的に200度近くの温度になる。
改造されているのだ。この一時的な高温状態が肩こりや
腰痛に効くとして、この店は繁盛していた。

「軽ければ軽い方がいいです。
 ヘリウムと水素を混ぜてるですが、
 なかなか割合が難しです。
 ヘリウムは簡単に手に入りますが水素は入らなです。」

カチッ、ヒュッ、ボッ
会話が終わるとおじさんはスイッチを入れる。
あまりに短い時間なので火傷にもならないのだ。

「ではどうやって爆発させているんですか?」
「塩酸にアルミホイルを入れて作るです。」

理科の実験じゃないか。
「クリーニング屋は向かなかったです。ひとさまの服を管理しきれませんでした。」
「だろうね」

っていうのが初夢でした。

たぶん、安い料金でお客から大量に衣類を請け負ってそのままトンズラした
クリーニング屋の番組をテレビで見たことが片隅で残っていたんだと思う。

レイモンド・チャンドラーとマイケルギルモア?読みたいなっていうのは自分用メモ。