A5 002 土曜日A5ノート2

ウエイトレスとウエイターは良くしつけられており、こまめに水が注がれる。
まわりをみると白ワインを片手にランチを楽しむ人が多い。

 続いて明太子とグリーンアスパラのリゾットが運ばれてくる。この組み合わせは家では思いつかないと思いながら円形に盛られたリゾットをA型的に食べてみようと思いつく。
 僕は血液型不明なので時々こういう思いつきを実行してみる。A型的にいくぶん几帳面に振る舞ってみよう、とか。

 リゾットの円形を満月とすれば、月が欠けていくように食べてみよう、と。明太子の辛みと食感を味わいつつ三日月分くらい食べてみてから、水を飲んで力を抜いてみる。目を閉じる。

まわりの人達の会話が遠ざかり、肩が下がる。

 同時に鳥肌が顔から腕、足下まで下がっていくのがわかる。

ここで初めて何かしら力を入れて生活していることに気づく。それで肩がこるのだ。
脱力していると良くしつけられたウエイトレスが水を注ぐ音が間近でして意識が戻る。

のんびりとリゾットを食べ終わると、食べ終わるか終わらないか同時くらいに
アイスコーヒーが運ばれてくる。

 十分なシロップと、きちんとした生クリームが(入れ物ごと冷えている)一緒に出てきて
それらをストローでかき混ぜて、ストローは置く。