magic hour マジックアワー

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村上龍の小説で良く出てくる言葉の一つマジックアワー。
その瞬間思い出したのはその言葉だったが、
しかしこれは日没の時に使うから今は夜明けで
夜明けは英語でdawnだな、と思う。
dawnという単語は僕にとってduskとセットで
まずfrom dusk till dawnという一連の単語が出てきて初めて
ああ、dawnが夜明けだなと再認識する。

中学生くらいまでは右と左の区別がよくわからなくなった。
右はどっちだっけ、と
まず箸を持つ動作を頭の中でして
それからああ、こっちが右だ、と認識する
それに似ている。

条件を振るうちに量的な制限が生じた関係で
いったん打ち合わせのために

戻り、午前5時頃にようやく終わった打ち合わせ議事録を
ホワイトボードから出力する。

ホワイトボードに内蔵された感圧タイプの印刷機は
100dpiくらいの白黒にフィルタリングされたホワイトボード上の
文字や図面を日付と共に出力する。

日付は92年8月4日の17時になっている
92年の時僕は92年という年を普通だと思ったが今
この数字は非常に古く感じる。
実際に長い年月が既に過ぎ去っている

外の気温は下がり、暗闇の中工場に再度戻り、
そう言えば月曜日は5時15分に起きたし
火曜日は3時まで起きていたし、
水曜日の今日は既に5時か、と思う。

機械の横で状況が変りこれまで待っていた時間が
ほぼ無駄になったのがわかり、
しかし既に体温も低下して怒る気にもなれない
血圧も低いのだ。

機械から取り出された僕の設計したプロダクトは
熱を持ち暖かいので確認するふりをして手を温める。

6時前、最後の打ち合わせを終えて会議室から出ると
空の低い街の空の色が変っていた

デジカメで撮った色と
見ている色はあまりに違いすぎるけど、
よく冷えた空気はある程度伝わりそうだ、と納得する。

よく冷えた車のメーターに表示された外気温は2度で、
中心まで冷えた体で1時間半電車に乗られ家に着き
相変らず半分しか布団をかけていないエミクロくんの
布団をかけなおしてから着替えもせずに
まるで夢も見ないで寝た。

会社からの電話で起きたのは12時前だった。