紆余曲折の後、日本語が話せる医療コンサルタントに
ホテルまで迎えに来てもらい、つっちーと市立病院へ向かう。
日曜日にVIP診察(後述)を行っている病院は少なく、選択肢はないとのこと。
普段は工業地区に行くのだが、逆方向の市内に向かった。
途中カルフールの横を通過しひたすら1本道をタクシーで15分ほど。
5分ほど走ると道幅が狭くなり、緑が多く昔ながらの蘇州の家々が
立ち並んでいるエリアになる。雰囲気がかなり異なる。
タクシーを降りると比較的大きな病院。
入り口には産婦人科系の文字があり、実際産婦人科だった。
この病棟の6FにVIP診察エリアがあるという。
少し話は飛ぶが、
以前NHKスペシャルで 激流中国 病人大行列 ~13億人の医療~
という番組を見た。
この番組は非常に印象深く、一部まだ覚えているのだが
医療が国負担の無料から自己負担に切り替わった後、
保険制度が整わない中で独立採算となった医療現場は
よりよいサービス、よりよい医師の配置を行わないと
経営が成り立たなくなった。
この言わば医療の競争状態によって、評判の良い特定の病院に
腕の良い医師が集まるという循環が生まれ、
また所得の少ない人は症状が相当切羽詰まるところまで進行しないと
診察を受けない、という状況から、結果的に重病を引き受けられる病院
には田舎から上京し、徹夜で3日並ばないと診察を受けられない、
(URL先を見ると2日だった)というものだった。
当然病人一人で行っても並べるわけもなく、家族総出で列に交代で並ぶ。
田舎から出てくる交通費、宿泊費、そして莫大な治療費により、
このままでは失明すると診断された家族はあらゆる財産を売り、
それでも足りず親戚からお金を無心し、まずはわずか数分で終わる診察を
受けに病院に行くわけである。
病院側も料金の踏み倒し等を懸念し、完全前払い制の診察になったと
その番組でも話していた。確か、救急車で運び込まれた患者の付き添いに
最初に請求が入る場面で番組は始まる。
支払いが無ければ患者は治療されない。非常に恐ろしいがそういう世界だった。
実際、今回もその様子は見受けられた。
また、そういった一般医療とは別に、病院の生き残りあるいは
さらなる拡大を目指し、高所得者向けの厚遇を約束した
サービスも登場し、一部病院は不動産までも運営し
資本主義の企業のような様相すらある中国における医療の現状を
レポートするドキュメンタリーだったと記憶する。
そのような記憶があったので、VIP診察と言われても
これと言って抵抗感が無く診察エリアに向かうことになった。
あれ、まだ診察すら受けてないんだけど。
また長くなったので続く。
ちなみに
激流中国 病人大行列 ~13億人の医療~ でググると、
医療関係者や色々な人の意見が散見され興味深く
時間を取られてしまった。
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