Mechanical Engineering メカ設計

家でもこのブログでもどこでも、
ほとんど自分の仕事や職場について話したことはないが、
非常に一般的に、つまり社外秘に全く触れない範囲で雰囲気を伝えてみようと思う。

ソニーで何をしているかというと
液晶テレビの外装・筐体部品の設計をしている。
これだけ書いてもまるで意味がわからない人も多いかも知れないが、
まあそこは飛ばそう。

職場の雰囲気はとても良い。
春になって暖かくなっているのと、CADが出す熱なのか
みんなの情熱なのか知らないが
暖房をほぼ年間通じて使わないと言われている
魔法瓶構造になっている本社のeco機能なのか、
基本的に仕事場は暖かく、
もうTシャツで設計しているメンバーもかなりいる。

ちなみに自分はと言うと、だいたい裸足だ。
席を立つ時に靴下を履くのが面倒なのが難点だ。

今回の設計チームも前回のチームと似ていて5人がほぼ同い年、
ベテランが1人、それと自分のチューターさんがリーダーで
みんな固まって設計している。

帰りはほとんど日付が超えたあたりになるが、
CADで設計しながら、みんな他人の部品の3次元モデルチェックしたりして
毎日、3時間毎くらいに「ここ、こうすればいいんじゃない?」
というアイディア討論会が行われる。

自分の部品が、他人の部品の場所を取りそうであれば
その人と交渉する。
大勢に影響しそうならアナウンスする。

若手ベテラン関係なく、お互いの部品を見ながら、
金型的に成り立たないとか、勘合、爪形状、
根本的に考え方をひっくり返すとこう出来るんじゃないか、
あるいは改善すべき内容に気づけば伝える。

課題になっている部品の可動部分と位置決めについて
みんなで絵を描きながらあれこれ言い合う

別のチームから呼ばれて自分の部品と別チームの部品の
位置について話し合う

海外から来ている設計者たちにやってほしい事を伝える。

デザイナー要求があり、満たすべき仕様があり、企画要求があり、
共通化すべき項目があり、設計者としての美的感覚があり、
当然機能を満足しながらコストを下げるための工夫があり、
複雑に要素が絡み合っており、こっちをたてるとあっちが立たない
という条件が複数あるためまた悩む。

テスト用に発注して出来てきた部品を見て、組み立てて、
また討論会がそこここで行われる。

なるほど、その手があったかと思わせたり思ったりの連続と
後々までひきずる解決できない問題と、
外乱となる何かしらの変更とで、討論会はいつまでも続く。

基本的にみんな自分の部品が好きなので
完成度を上げる手間を厭わない。
例え見えない部分の部品であっても、いかにきれいに作るか、
というのは比較的多くの設計者が持っている志向だ。

気がつくと時間は過ぎている。

ここまで書いた内容はあくまで初期検討の時期で
時期によってやっている仕事は全く異なるが、
まあおおむね、結構楽しい、というのが事実だ。

しかしきつい、ねむい。
それとこれとは別問題!