1/4。
空港には何もない。滑走路はひんやりとしている。
数メートルおきに描かれたラインが滑走路の中央を示しており
闇を照らすライトはそのライン2本分までしか届かない。
滑走路に寝ころび、空を見上げると半球が見える。
どうして球状に見えるんだっけ、と思う。
ライトを消すと波音が聞こえる。
すぐに海があるのだ。
目が慣れるにつれて星の数が増える。
星が瞬く。
本当に星は瞬くのだ。
東京ではオリオン座の7つの星の中に
他の星なんて一つもない。
でもここでは冗談抜きに、オリオン座に囲まれた
エリアだけで100個くらい星がある。
滑走路はおそらく珊瑚礁をつぶしたのか、
椰子の木の林を切り倒したのかして作られたのだろう。
それでも僕はこの空間が好きだな、と思う。
人工的で、アスファルトしかない。
露光時間を長くしたデジカメで少し遊んだ後、
忘れ物が無いか確認して滑走路を後にする。
明日この滑走路でパペーテに向かう。
そろそろこの旅も終わる。