そこら辺の風景をデジカメで切り取るときに
うまく切り取れない時がたくさんある。
もちろんそれは純粋にカメラの性能で
自分が今見ている風景を忠実にデータとして
残してくれない、たとえば光加減とか色とか、
本物となんか違う。そういう場合もある。
特に暗いところでの人間の目の力は逆に、すごいなと
思ったりもする。
でも結構頻繁に思うのは、
今見ているその視界に入っている風景が
自分の脳によって加工されている時がある、ということだ。
この前のエントリーで高速道路の風景がうまく撮れた事がない
と書いたけど、その時に僕が見ている風景は
カーブする外灯とカーブする道路のその先で、
目の前や横を走る車の存在感はきわめて低い。
でも実際に写真を撮ると目の前の道路と車が
その画面の極めて多くを占めることに気づき愕然とするのだ。
そこで初めて気づく。視界がフィルタリングされ
僕にとってその時いらない情報がそぎ落とされ
この世界は僕にしか見えていない事に。
長い間これに気づかなかった。
うまく写真を撮れていないんじゃない
僕が見ている風景は僕によって変えられている
勝手に感動するように視界を作り変える脳を見ていると
釈然としない反面、これが人としての何かであり
またこれがデジカメとかの機器で再現できたら
ものすごいことになるだろうな、と思う。
DSC-T10