ちなみに持って行った寝袋は5℃まで
対応のものだったが十分だった。比較的快適に眠れる。
ついでに、
ポーターに持ってもらったザックはKarrimorのクーガー40-55で
若干容量不足気味だった。自分が背負っていたのは30リットルのもので、
この日はペットボトルとおやつくらいしか搭載しなかった。
微妙に気分が悪く全く眠れないこと2時間余り、ようやく眠れたと思ったところで
夜中の12時、まだ起きるまで1時間あったのだが、山小屋に泊まっている
別のグループが12時?1時?出発だったのか起き出して非常にうるさい
起きてしまい全く眠れずかなり眠い。
仕方なく起きて長袖にセーター、スノボウェアを着込む。
下もスノボウェア。
眠い中ポーターのエリーとガイド、レンジャーが起きてきて
コーヒーだけ飲む。用意がちょっと悪い。他のグループは軽く食べていた気がする。
まああまり食欲は無いわけだけど。1:30出発予定だったか。
忘れたが出発したのは1:45分頃。
外に出ると満月で、ヘッドライトはいらないくらいの明るさ。
ガイドはライトをつけずに出発した。
ウェアを着ているため特に寒いこともなく、歩いても暑くなるわけでもない。
前日の道で砂埃が激しかったためタオルを口に巻いて歩き出す。
1列になり一番後ろ。
まだ背丈以上の木が生えている砂の道をジグザグに、ゆっくりのぼっていく。
端から見ると相当ゆっくり(スワヒリ語でポレポレ)なのだが、3500mを超えているため
空気はかなり薄く急ごうと思っても急げない。
前の人が巻き上げる砂埃がヘッドライトに反射する。
やがて木がなくなり、周りが石になってきた頃、2番目のジャンキーのペースが鈍ってくる。
歩いている道が石になったり、砂になったりした後平らな場所に出る。
ここはライノポイントで標高は3800m。
この時点で3:15。既に1時間30分歩いたことになる。
山頂の標高は4500mで、高度にして登ったのはたった300m、残り800mもある。
まだまだかなりある。
ライノポイントからは若干下りで、稜線をちょっと反らした位置に登山道がついている。
稜線だと風が強すぎるのだろう。
一部ほぼ稜線の岩石地帯を通り、相当怖い。
ところどころ砂地の登山道がとぎれて完全な岩場になる。
月明かりとヘッドライトで進むのだが高度も上がっており
時間もかかる。
これは前もって分かっていたのだが、Meruの山頂は稜線に沿って登っていくと
いくつも上り下りがある。登り切ったところで毎回もしかしてこれが頂上か?と
思うのだが頂上は毎回遙か遠くで、暗闇で視界も無い中、何度もだまされる。
キリマンジャロの影が月で見分けられる。
3つめくらいのダミー頂上で「まだ2時間かかるよ」と言われ
なんじゃそりゃ、という感じになる。
とても眠いし歩みはゆっくりなので歩きながら何度か眠りに落ちる。
歩き続けて3時間、6時頃。
やがて空が遠くの方から黒から紺色に変わってくる。
水平線は薄いオレンジになり、背後の空はこれまでに
見たこともないような色に変わっていく。
うっすらと山の影が空に映る。
満月が水平線にゆっくりと落ちていき、
やがて雲海がくっきりと見えてくる。
ほぼ稜線を歩いているので視界は良好で、全てがクリアになってくる。
日が登ったのは6:25。西側斜面にいたため稜線まで駆け上がり
日の出を見る。高度は4000mを超えている。
とても寒く鼻水が出る。
日が昇ると暖かくなり、それでもウェアを着ていて暑いと感じるほどではない。
はっきりと山頂が目視できるようになったが肉眼でもかなり遠い。
20分ほど登ると、山頂でご日の出を見てきたグループが降りてくる。
かなり年配の人もいる。
登るのがかなり厳しくなった人たちが脱落し、あるいは
ポーターに全ての荷物を持ってもらい手を繋いで登っている。
ジャンキーとプルックがかなりきつそうだが、みな自分の足で
登り続ける。
登ることさらに30分、西側の山肌を登るため太陽は見えず、
山の影が背後に見える。ついに山頂の旗が見える。
旗が見えてからも高度にして50mほどあっただろうか?
そんなになかったかもしれない。旗が見えてからの
一歩一歩がなかなか進まない。高度は4500mを超えている。
山頂に到着したのは7:40。
比較的余裕のある隊長、inox、maruがジャンキーとプルックの到着を待つ。
かなり空腹だったためカロリーメイトを食べるが、到着したジャンキーは
水くらいしか口が受け付けない。
5人全員が登頂名簿に名前を書き、記念撮影。
キリマンジャロの影が伸び、空が真っ青になっている。
雲海はメルーの麓を覆っており下界は何も見えない。
近くを鳥が飛んでいる。山頂にもかかわらず高山植物が何とか生き延びて、
小さな花を咲かせている。
4560mを登ったという感慨はさほど感じない。こんなものか、という程度。
つねに開けた視界を見ながら登ってきたからかもしれない。
眺めも良かったしもう少し山頂で休憩していたかったのだが
8時少し前、maruがガイドと共に下山しはじめる。
ジャンキーも高度に耐えられず下山。隊長とinoxのみ少しだけ余計に
そこに留まる。8時ジャスト、下山開始。