逆風野郎というセンス抜群な邦題がついたdysonの
本を読んでいるわけですが。
ダイソンは知ってるよね?掃除機だけど。
そう。消耗戦になっているのだ。すべて。
おととい某社の液晶テレビを分解していて
その構造が無駄に複雑で、その複雑さの原因は
明らかに、同業他社が出した製品にある機能を
設計の途中段階で追加したためだった。
テレビで言うと、たとえばダブルチューナーとか、
もっと簡単に言えばビデオ1,2,3だったものにビデオ4を
追加することって、たぶんそんなに難しくない。
だから結局そういった機能で他社に見劣りしない製品を
出すという競走がどのメーカーでも繰り広げられていて、
それがメーカーを消耗させる。
発売2ヶ月前に、ダブルチューナー搭載のテレビが他社から発売された。
うちもダブルチューナーにしなきゃだめだ、カタログスペックで目劣りする
仕様変更だ ってわけ。
問題は、それがユーザーに本当に求められていることなのか
おそらく誰もわかっていないところだ。
例えばダブルチューナーは同時に2番組見られるっていうことで、
2画面で見ることも出来るし、裏番組のビデオへの出力も出来る。
だけど実際に、2番組見る瞬間はどれくらいあるのか。
見たいと思う人はどれくらいいるのか。
そして裏番組の録画なんて、普通ビデオについてるチューナーでやるんじゃないのか。
(まあデジタルチューナーは確かにまだビデオ側についてないことがほとんどだけども。)
ダブルチューナーにしたことで、例えば設計に10人、30日かかれば
人件費だけで軽く450万円はかかる。
かかって、なおかつ部品コストも300円くらい上がったとして、
テレビが売れる台数はせいぜい1機種20万台として、
テレビの値段が30万としよう。
今、メーカーの利益率は数パーセントで、仮に2%とすれば、
ものすごくおかしな計算だけどこの利益率をテレビの値段に
かけてはじき出すと、利益は6000円としてみよう。
そのうち、450万円/30万=15円
+300で315円。
実に利益の5%を、ダブルチューナーの後付けでメーカーは失うことになる。
ダブルチューナーが決め手になって5%買う人が増えるのか
という疑問に、yesとクリアに答えられるのであればこれも手かもしれないけど、
こういうことが繰り返されてメーカーは先を見据えた投資が
出来なくなっているとしたら、というか実際このような
競争が常に行われていて革新的な製品を出せないまま後手後手に
新製品を投入し続けているのが今の電機業界のほとんどの現状だと
思われる
って感じのことが逆風野郎に書いてあったわけではないけど、
紙パックが不要でタバコの煙レベルのゴミでも収集するという
革新的な掃除機を作って完全にシェアを取ったダイソンには
こういう根本的なスペック競争ではなくてユーザが本当に求めている
機能を実装したという意味で、iPodと全く同じ精神が裏にあるわけで
そういうのがテレビで言うと何になるのかなーと思うわけで、
まあダイソンの掃除機も重い、とか日本人のデザインセンスにちょっと
あわないんじゃないの、とか難点はまだあるみたいだけど
例えば現状で言っても、明らかに動作がアナログのテレビの時よりも
起動が遅くなった電源ボタンを押した後の反応とか、
デジタルアナログCSBSの切り替えのわかりにくさとか、
番組表を紙で見る感覚とは違う画面のわかりにくさとか、
ほとんどどのメーカーもがんばっているけど、うまく出来てない部分が
超大量にあるわけで
結論言うと、「搭載されている機能が、うちの祖父母でも
なんの違和感も無く使える」っていうテレビが出たらすっごいと思うんだけどね
実際どうやればそうできるのかわかんねーなー
それにしても、相当読みにくいなこれ
ってここまで読み返して思った。
なんなんだろうねこの文章。あは☆
ちなみに、サイクロンで何で空気とゴミを分離できるのかっていう説明が
半ページくらい書いてあって非常にわかりやすかったよ。
この人デザイナー出身なんだよなーなんかこの思想いいんだよな・・
文章はかなり鼻につくけど。
<追記>
やべ、これ書いてから2日後にこんな記事が。
まばたきでチャンネル変更かぁ。出来なくないなーすでに。うんうん。