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tick-tack

夜中の3時過ぎ、その部屋の扉を開けた。
暗闇が待ちかまえていて、廊下の薄暗い蛍光灯が
部屋の中を少しだけ照らした。

全く同じ4つのベッドと、ベッドサイドのテーブルと、
その上に全く同じ時計がのせられていた。
誰もいない。

時計は、1秒ごとに違う音を交互に繰り返した。
チク、タク、チク、タク、チク、タク、チク、タク、

あまりに静かなその部屋では、4つの時計の秒針が
それぞれ、1秒ごとに時を刻み、
それらは微妙なズレと距離の関係のため、
1秒間に4回、2秒間で8種類の音が
全くずれることなく響いていた。

そのようにして僕は次の日の朝を迎えることになった

lethargic

デフラグメンテーションしたまま眠りについたのがいけなかった。
おそらく。
自然界に無い音を、そいつらは悪意を持って
耳の奥から入り込んで、そのままウィィィィィィ・・・
っていう風に脳にわざとらしく呟いてきてたんだろう。

気がついたら背中が痛んで、口の中が変な感じになっていて
起きた。仕方ないのでストレッチと歯磨きを完全な暗闇の中で
してから、もう一度眠るために思考から3次元モデリングの
モジュール化についての考察を追いやろうとしたが不可能だった。

PARABOLA パラボラ

 代々木から山手線に乗ると、
とても混んでるから
進行方向左側のドア付近に立つしかなくなる。

窓の外をいつも変わらない風景を見ていて、
原宿から渋谷の間で二つ大きな
ひとつは空
もうひとつはほとんど地面と平行に
あのパラボラアンテナは何を受信してるんだろう。

BGM:SUPERCAR / ANTENNA