regulation (重要)論文の書き方(最小レギュレーション)の件

昨日実家から持ち帰った大学の講義ノートやら色々
自分の荷物の整理をしていたのだが、

2003年に教授から受信したメールを当時の自分が紙で
印刷していたらしく、その内容が
すごくタイムリーだったのでそのまま掲載してみる。

段ボール一箱分のノートや資料から
メールの印刷は本当にこれだけだった。

たぶん当時の自分は論文書くしこれ印刷しておこうとか
そういう気持ちだったんだろうけど。

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送信日時: 2003年11月30日
件名: (重要)論文の書き方(最小レギュレーション)の件

論文にまとめることを想定して、実験/設計などしておいてください。
もはや実験/開発を楽しむ余裕はないので、下記を参考にして、内容を絞り出すこと。
ただし、事実に対しては 正確に取り扱うこと。
*(ここで不正確/模造菜データがあると 後で、再検証の時、どんでもないことが起こります)
*(説明できないデータでも再現性があれば 真実です。 ただし、実験方法/計測方法の誤りの場合が多いです)

(今から、成田へ行きます。では Good Luck to you!)

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論文を書くときの注意(=青山研規格)
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1 (文章、式)のページと (図、表)のページは分離させること
(=同一ページ内に混在させない)
後で、OHPなどに使用可とするため。

中略(レイアウトや文字数について)

4 図表は正確に描き、縦軸、横軸の意味をよく考えて、
名称/単位/標題を記すこと。
ここは肝です。絶対に、手を抜いてはいけない!。

5 論文なので必ず”文語表現”を使用し、主語、述語、修飾語を文法的に
配置し、その意味も論理的になるように配慮せよ。

例: ばねを縮めた=X バネを収縮させた=O
粘度は大きい=X 粘度は高い=O

6 書き方
(論文調にすること
 客観的な事実/観察の部分 と 主観的な推測/考察の部分を曖昧にしてはいけない)

実際には下記の観点が各章ごとに 混在して展開されるはずです。

+++++++++++++++
(A)現象を確かめる”実験系”の内容を展開する場合:
+++++++++++++++
・実験の目的やねらいを述べ
(~を明らかにする。~を確認する。~の関係を調べる。など)

・実験方法、手順を第3者でも理解出来るように客観的に
わかりやすく記述する。 <----後から、再現ができないと その結果は単なる "オカルト"
(実験システムの構成、概要、使用機材、計測機器、データ演算/処理方法
および評価方法)

・結果については データをしっかりと解釈し、事実関係を論理的に
考察すること。
>結果に対する主観的見解(~がわかる。~がみられる。)
>強い断定(~であった。~である。)
>弱い断定(~とすることができる。~と言える。)
>予想/計算値と(~一致する。~一致しない。)
>その結論の判断/理由(~なのは~であるからである。)
>総括して、(~と予想される。~が必要である。~の課題とする。)

+++++++++++++++
(B)機器/システム”設計・開発系”のないようを 展開する場合:
+++++++++++++++
中略

+++++++++++++++
(C)解析/シミュレーション系の内容を展開する場合:
+++++++++++++++
中略

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OHPとかすごい懐かしい。今あるんだろうか。
“オカルト”とかもう今回のバタバタを見ていると
本当に良い研究室に所属していたと思うし

出てきた資料とかを見ていても
自分がきちんとやってきたんだなあと思い返された。

おそらくきちんとした人であれば「常識だろ」と思う事
だらけなのかも知れないが
何も分かっていない、考えていない学生に対して
こういう事を明示する事と、明示できる事っていうのが
教育にあたるのだろうなと思うし、
きちんと行われてこなかった結果があれなんだろうなあと思う。

自分の卒論はBに当たる。
100ページとかを優に超えるデータや図面その他をまとめた記憶があるが
今回はそこら辺は出てこなかった。

ちなみに、自分が作成した卒論発表向けの概要?はこれ。
細胞操作用超小型インジェクタの開発
http://www.aolab.mce.uec.ac.jp/ST/MEMBER/OB/INOUE/A06_yukitoinoue.pdf