The Outline: The Unseen Outline of Things 「見えていない輪郭」 深澤直人 x 藤井保

The Outline: The Unseen Outline of Things The Outline: The Unseen Outline of Things

ソニーでテレビの外装設計をしていて叩き込まれたのは、
質感や色合いや小さな見かけ上の違いというべきものを徹底的に
排除して求めているモノにする、ということだ。

こういったものづくりを行う会社に入るまでは全く意識しなかったが、
大量生産というのは誤差の積み重ねであり、「全く同じモノ」を
作ることは出来ない。

寸法の違いから生まれる隙間の大きさの違い
条件の違いから生まれる表面の質感の違い
塗料を塗る温度や湿度の差から生まれる色の違い

そういったものをいかに抑えるように、あるいは
目立たないようにする設計するかが重要である一方、
現場での先輩方からの主観を客観にしていく教育の過程で、
「良いモノ」と「駄目なモノ」の差を徹底して鍛えられるので
自然と他の何に於いても、つい差を、「あら」を探してしまうことになる。

そのようなわけで、プラスマイナスゼロの製品を見たときに
ちょっと許容できないような外観上の「あら」を多く見つけてしまい
プラスマイナスゼロはなんかチープ、
イコール深沢直人のプロダクトはなんかチープ、
という印象をずっと持っていた。

The Outline: The Unseen Outline of Things

21_21 DESIGN SIGHTで行われていた
「THE OUTLINE 見えていない輪郭」展は、100点近くの
深沢直人デザインの製品と、それを撮影した藤井保の展示で

なんかチープ、という印象が良い意味で裏切られた。
この美術館、中にはいるのは初めてだったが
打ちっ放しで鋭利な角を持つコンクリートがいかにも安藤忠雄だが、
シンプル・無機質な感じの深沢直人デザインに合っている。

良いなあと思える製品がたくさんあり
それらがほとんど無駄の感じられない形状だった。
装飾が無い?無駄なラインがないのか?
特に良いなあと思ったのはバスタブ。
追い炊き出来ないなあと思ったけど。

しかしあれ良いバスタブだったなーBoffiの

こういう展示に量産されたモノが置かれるということは、
冒頭で書いたような外装に関する
デザイナーや設計者としてのモノへのこだわりが
ものすごく注目されて見られるということで、
つまり、普通に売られているモノよりも遙かに厳しい目にさらされる。

置かれたモノを設計した人は結構ヒヤヒヤするかもしれない。
毎日何個も作っているモノのうちから、
ある意味では1つだけ抜き取られて展示されたモノが
果たしてきちんと基準に達しているのか、
ばらつきで生まれた変なモノが紛れ込んでいないか。

あと、
・展示している椅子に座れる。特にマルニ木工の木のすべすべ感が病みつき。
・プラスマイナスゼロのトースター、前扉付きのやつが思いの外、良い。
 売ってるの見たこと無いな。


うちで使っていたシャチハタの朱肉がまさか深沢直人デザインだったとは。

これも。

「THE OUTLINE 見えていない輪郭」展
会場: 21_21 DESIGN SIGHT
スケジュール: 2009年10月16日 ~ 2010年01月31日
住所: 〒107-0052 東京都港区赤坂9-7-6 (東京ミッドタウン内)
電話: 03-3475-2121