GFP 蛍光たんぱく質

日本人がノーベル化学賞を受賞したという記事を読んでいたら
受賞理由がクラゲの蛍光タンパク質GFPだという。

大学3年、4年か。4年の時に僕は顕微鏡下で作業をするロボットに搭載する
細胞操作用超小型インジェクタの開発をしていた。

その過程で、どうしてもマウス?ラット?の卵細胞が必要になったので
教授のつてをたどって下北沢にある、たしか東大の研究施設に
卵細胞をもらいに行った。

なんというか、商店街で買い物をしているようなどこにでもいるようなおばさんが
案内してくれた。おばさんはいたって普通だった。
しかしその研究室は少し抵抗感があった。

研究室に繋がった、マウスの飼育所に入っていった
少し奇妙な笑い方をする男性の研究員は嬉しそうに
その緑色のマウスを持ってきて説明してくれた。

トランスジェニックマウスなんです。

毛が剃られた、皮膚が露出したそのマウスは文字通り緑なのである。
緑と言っても、全体が緑ではない
一部緑色だったり、血管は赤みがかったりしていて
かなりのインパクトを受ける緑、だった。

もしかすると紫外線か何かを当てた環境で見たのかも知れない。
もはや記憶は定かでない

奇妙な笑い方をしながらその男性は
嬉しそうに、是非見てみてよ、と飼育所に案内しようとする

生き物とそれらがまき散らすにおいがムッとしていて
僕と同行していた共同研究者は10秒程度で辞退した。

5年以上前の話だ。
しかし緑色の皮膚と、クラゲから取った蛍光物質を取り込んでいるという
奇妙な笑い方をする男性の説明は
その外観的なインパクトも手伝って、

ノーベル化学賞の記事を読んだとたんによみがえった。

ごく当たり前のように話していたがそれがまたセレンディピティによる
成果で、それによって生物学が進歩している

それにしても、あれは入れられたくない、と思う。

動物を工場にする技術(トランスジェニック動物)
http://www.biken.osaka-u.ac.jp/biken/BioScience/page07/index_07.html