the beginning of the end 2 日常のループ

いつも通りの手順で自転車に乗り駅までの2分をこちらに
向かってくる人たちを抜けて疾走する
電車の中では何も考えない
考えるにはあまりに疲れすぎている

僕は品川の駅に到着する
そこには無限に近い人たちがいる
彼らは何も話さない
ただみな同じような方向に向かって歩いている

なんだっていうんだろう
どうしてだれも音をたてないんだろう

だんだん気持ち悪くなってくる
誰もが抑制されている
誰かが叫びだしてくれないのか
どうしてだれも口を開かない
しゃべることを忘れたのか

無言の動物たち
これだけの吼えられる動物が
みんな無言だ
どうしてこれを誰もおかしいと思わないんだろう

聞こえてくるのは足音と電車と自動改札のエラー音だけだ

トレント・レズナー
this is the beginning、
続けてof the endとささやく

僕はそこで気づく
みんなコントロールされている
行きたくて行っているわけじゃない場所に
無言で向かっている

僕も無言で向かっている
何なんだろう

そこでいつも通り僕は走り出す
何かを変えないと
僕自身を変えないと
そういう事を思っているわけではない
ただ走る

たぶんネオがなんとかしてくれるだろう。