Toyo Ito “The New ‘Real’ in Architecture”

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ふむ、全然知らない建築家、伊東豊雄の展示
TABのレビューを見ているとなにやら面白そうだったので
行ってみたのだが、面白かった。

表参道にあるTOD’SのビルMIKIMOYO Ginza2せんだいメディアテーク
などの建物を手がけているようで写真なり実物を見たことがあった。
なるほど。

展示室に入ると台中メトロポリタン・オペラハウスのコンペティションモデルが
展示されているのだが、このモデルでこの建築家のやりたいイメージと
印象がだいたい伝わる。有機的といろいろな場所で表現されているそれは
床以外全て曲率の異なる曲面で構成された建物、と言うのが近いと思う。

最低限のトラスを確保し、そのトラスを構成する梁を覆うように曲面を作れば
確かに構造力学上も十分な強度が確保できるわけで、ほぅえ~と思ってしまう。

しかしこれ、ほんとに作る人はめちゃくちゃ大変だ。
逆に、技術力の高い現場しか作業できないわけで、
コストはかなりかかっても良いモノが出来る気もする。

この前表参道ヒルズに行ったときにgamiさんがコンクリートを見て、
軽くさわってからそのコンクリートの出来の悪さから
安藤忠雄とは思えないな、と漏らしていたが、
これはいくら建築家が良い建築をしても現場が適当だったり
管理が不十分だと良いモノが出来ないということに当然繋がる
ということで、この逆が思い起こされた。

量産部品のコストを考える上で材料を効率的に利用する、
あるいは低コストで作るには曲面やRの変わる曲線は
出来るだけ避けたいところで、これを避けずに芸術的側面から
アプローチし、しかもこれだけの建物をいくつも建てているところが
すごいと思う。予算(というのかよくわからないが)内で建てられるところまで
もっていっているからこそ建物が建っている、、、んだよな。
それともMIKIMOTOとか、あるいはせんだいメディアテークには
膨大な予算がついているから可能なのか
そこらへんを考えてしまうところが一般市民。

展示は建築家からの提案で行われた、と書いてあるだけあり
非常にきれいにまとめられ、さらに建築物の一部の体験までできる。
こういった世界的に注目される建築家は芸術家なんだな、と思う。
おすすめ。