personal publishing system

難しい。
まさしくネコも杓子もblogを利用し始めているけれども、
半年くらい前にアメリカで散々話題になった
「blogが原因での解雇」などをめぐっての問題は
未だにかなりの企業でグレイな気がする。

以前僕が運営していたジャミロクワイファンサイトでも、
レーベルから公式な警告を受け取ったことがあった。
この時に指摘されたのは、30秒ほどのサンプル音源を
webにuploadしていたことと、CDのジャケットを掲載していたこと2点で、
これらを削除しなければ裁判を起こすという内容だった。

30秒のサンプルは、当時著作権法を良く知らず
JASRAQの許可を得ず掲載しておりすぐさま削除したが、
実際のところは、30秒のサンプルで訪れた人がCDを買わなくなる
わけがないし、逆にプロモーションになるはずでその点は
疑問に思ったことも確かだ。

さらに、ジャケットに関しては数多のサイトが掲載しており、
当然こちらにも著作権を違反するような意図は無く、
なぜジャケットを削除しなければならないのか
正直かなり疑問に感じた。この点は後にAmazonなどの
販売サイトと提携することで掲載が可能というような
内容をwebで発見し、それでクリアした。

とここまでジャミロクワイファンサイトについて書いたのだが、
言いたいのは
そもそもファンサイトというのはアーティストをサポートする
立場にあり、売り上げにも確実に貢献しているのだ。
これに対してレーベルが著作権云々で訴えます、
という姿勢は疑問を感じざるを得ない。

もちろん法定遵守を最優先するべきなんだけど、
このいきなり裁判を起こしますという姿勢に疑問を感じた。

対策を十分に採っていない企業もある反面、
同じように、例えば「ブログで解雇」されないために
企業側が何も書くな、という姿勢を取る事と同じで
杓子定規に物事を決定していくうちに
実はビジネスの価値向上の芽を摘んでいる、
という事態もどんどん起こりうる。

そういうのって非常にMOTTAINAI.

今後blogのさらなる広がりで
ネコも杓子もおたまじゃくしも利用を始める中で、
日本でも当然似たような問題もどんどん増えるだろうし、

例えば企業側が表現や言論をどこまで規制できるのかという問題
なんかも真面目に議論されるべき部分であると思われる。

一番いいのは積極利用を奨励しつつというIBMの対応かな・・そこらへんはさすが。
IBM、社員のBlog利用に関する注意事項を掲載

参考
「社員のブログがセキュリティを脅かす,規則を定めよ」,英Clearswift
「ブログで解雇された」–元グーグル社員認める
ブログで会社をクビに――米国で解雇例が続出