Eternal Storage エターナルストレージ

 エターナルストレージ。日経エレクトロニクスによる造語である。

 ストレージっていう単語を日常的に使っているけど、そんなに一般的な
単語では無い。いきなり話がずれるんだけど、国立国語研究所の
外来語置き換え、毎回面白いなあと思って見る。
http://www.kokken.go.jp/public/gairaigo/Teian3_tyuukan/iikaego.html

 ストレージなんてそんなに頻繁に使わないから置き換えられなくて
当たり前なんだけど、それよりドクトリンとかの方がもっと使わないんだけど、
それは生活環境の差からくるんだろうか。文系理系の違いもありそうだ。

 前置きが長くなったけど、エターナルストレージは直訳すると
「永久記憶装置」 日経エレクトロニクスでは「永久記憶媒体」
と書いてある。 つまり今回は記憶媒体のお話です。

 情報を保存するために記憶媒体を使う場合、何を使うだろうか。
大昔だったら石に文字を刻んだりしていて、エジプトで紙が生まれて、
現在ではフィルムや中性紙などがその流れ。(ちなみに、感熱紙や
感圧紙といった紙は、おそろしくその記憶を保持する寿命が短い。
そのタイプのFAXとか、レシートとかスーパーのラベル。あれはもう、
1年くらいでインクが消えるよね。たぶん。)

 音楽ではカセットテープやDAT、映像ではVHSなんかの磁気テープが
主流になって、やがてデータがデジタルでやりとりされるようになり

 一昔前ならフロッピーディスク、現在だとCDRやDVDなどの光ディスク、
MDやMOなどの磁気ディスク、メモリースティックなどの半導体メモリカード、
というのが超おおざっぱな記憶媒体として使用されているものだ。

 あとは、PCが普及してその主記憶装置であるHDD(ハードディスクドライブ)が
その容量の大きさ+価格、さらに最近の技術発展による小型化から様々な
機器に搭載されるようになってきた。
 
 100年プリント、とか聞いたことがあると思う。たぶんコニカかどこかのフィルムが、
写真の鮮やかさがいつまでたっても色あせないよということを宣伝文句にする
際、この言葉を使ったのだと思う。

 記録媒体の寿命は、特に写真などの大切な思い出の品だったりすると
とても重要な事だ。
 石や紙やフィルムは長持ちするけど、現在使われているデジタルの記憶
媒体たちはいったいどれくらいの寿命があるのか、またそれに伴って新しい
タイプのサービスや技術が今後どんどん出てくると思われる。

 デジカメで撮影した写真をHDDに入れたり、CDRに焼いたり、DVDに記録。
 今まで家庭内で撮りためていた子供の成長記録をHDDやDVDに永久保存
するために移し替える。
 そんなCMやイメージはちょっとTVを見ると見かけることが出来る。
DVDレコーダーは今や新・三種の神器の一つとなり、爆発的に普及している。

 これらの記憶媒体の寿命がもし3年くらいだとしたら、どうなのか。
永久に保存するために焼いたCDRが、保存状態によって膜がおかしくなって
記録が読み出せなくなったり、子供の成長記録を全部移し替えたHDDが
壊れた、とか。いつの間にか情報を読み出せなくなった、とか。
 
 これらは十分起こりうる事態で、特にHDDレコーダーに関しては
そろそろ売り始めてから3年くらいするメーカーに苦情が来だしている
頃なんじゃないかと僕は思っている。これからどんどんその数は増えるだろう。

 HDDは何回も書いたように割とデリケートな機械で、壊れやすい。
突然電源を切ったり近くに磁気があったり、時間的な劣化によって
壊れる。CDRやDVDは太陽光が当たったり湿度が高かったりで壊れる。

 そういう意味では、フィルムや磁気テープと比べ最近メジャーに使用
されている記憶媒体は圧倒的に寿命が短い。

 ここに来て、デジカメに入っているメモリーカードのデータ復元や
HDDのデータ復元サービスを行う企業の受注がかなり増えているようだ。
 HDDの復元など、一件数万円から百万円単位でも個人で頼む
人がいるらしい。それだけ大切なデータが入ったストレージが
クラッシュしているという事の裏付けになる。

 もちろん、技術的に劣化や機械的な破損を避ける仕組みや
保存方式にも、データをいかに壊さず保持するかという工夫や、
保証期間の規格そのものの長期化などがどんどん行われている。
 
 RAID機能などはそのうちの一つで、例えば
富士通のノートパソコンにRAID-1機能が採用されている。
 この機能は読んで分かるとおり2台のディスクに全く同じデータを
同時に書きこむことで、バックアップを常に作成しているようなものだ。

 また、Intelが今年6月に発表したチップセットには、
Matrix Storage Technologyと呼ぶRAID-0、RAID-1を
同時に実現する機能が備わっており、ソニーのType Ricon
この機能を利用し、RAID-1でデータ保護を、RAID-0で
記録再生速度の向上を実現している。

あ、だめだ。色々書くことありすぎてまとまんない。ちょっとこれでおしまい。